audio-technica ATH-CK2000Ti

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Diary*2020年07月02日(木)

「audio-technica」のバランスケーブル『HDC114A/1.2』を『ATH-AWAS』に取り付けたものの、タッチノイズが目立ち、長さも短い。そこで、「Brise Audio」の直販サイトでカスタマイズしたケーブル『flex001SE』を購入! しかし『ATH-AWAS』には取り付けできなかった‥‥。

このままでは『flex001SE』がもったいないので、イヤホンを「audio-technica」製に買い替えて、せっかくのカスタムケーブルを活かそう!

というのが、前回までのお話。

まず、ケーブルがワイヤー入りで耳に掛けるタイプは形状が『flex001SE』と合わないのでNG。耳に掛けないタイプのケーブルで、レビューの評価が高く、最近発売されたバランス接続対応の機種‥‥という基準でふるいにかけた結果、選んだイヤホンはカナル型の『ATH-CK2000Ti』でした。

傾向としては、低音から高音まで比較的フラット。それなりの量感はありつつも落ち着いた音、らしいです。

お値段は、最安なら7万円を切るショップもあるようですが、おおむね、8万円前後が相場のようです。

さて、パッケージを開封していきたいと思います。

パッケージ外装

まったくの余談ですが、こういう白を基調としたシンプルなパッケージはカメラのピントが合いづらく、写真を撮りにくかったりします。

内箱は布張り。

パッケージ内箱 内箱のフタ 一層目

付属するイヤーピースは、本体に装着されている1組+交換用の6組で、計7組が用意されています。

中は積み重なって収納されているので、順に取り出していきます。

二層目 三層目 四層目

付属のケーブルは2本。アンバランス接続でミニステレオ端子のケーブルと、バランス接続で5極4.4mmφ端子のケーブルです。

イヤホン本体から付属イヤーピースを取り外します。なんとなく使うのがもったいなくて、未使用のまま保管しておきたい気がするのです。かなりごつい作りで、なかなか外れませんでした。

ハウジング スパイラルドット++

代わりに使用するのが、「JVC」が製造販売の『スパイラルドット++』Mサイズ(EP-FX10M-B)。

いろいろなイヤーピースを試しましたが、どれも動いた時に耳から抜けて落ちてしまう。その中で唯一フィットしたのが、このイヤーピースでした。

レビュー

音を聞き比べるために、まずは付属のバランス接続ケーブルを取り付けます。

5極4.4mmバランスケーブル 付属ケーブルを取り付けたATH-CK2000Ti

DAPには、SONYの『WALMAN NW-ZX507』を使用し、さっそく試聴してみました。

音がジャリジャリするというか、電波の通りが悪いラジオのような音です。ノイズが混ざっているのでしょうか? 音の鮮明さがありません。まるで、ダシ取りに失敗した、雑味のあるお吸い物のような‥‥。

全体的な音の傾向としては、低音から高音までまんべんなく鳴らすフラットな感じ。重低音を売りにするイヤホンが好きな方には物足りなく感じるかもしれません。

高音は、上の方までしっかり鳴らしていることは良いのですが、耳に刺さります。ひときわ高い音では、黒板に爪を立てたような不快感を感じる時もあり、せっかく高さがある音を台無しにしています。

低音は締まりが悪く、輪郭がぼやけて聞こえます。量的にはそれなりに出ていると思うのですが、音がにじんでいるせいで、力強さを感じません。

価格を考えると、かなり不満のある音です。これ、本当にハイエンドのイヤホン?

ケーブルを換えての聞き比べをするのは初めてなので、「もし換えても音が変わり映えしなかったらどうしよう」という不安がもたげてきました。

ともあれ、今度は「Brise Audio」さんのカスタムケーブル『flex001SE』を『ATH-CK2000Ti』に取り付けます。DAPは引き続き『WALMAN NW-ZX507』。

Brise Audioのケーブルを取り付けたATH-CK2000Ti

音楽を再生した瞬間から、はっきりとした違いがありました。‥‥まったく別物のイヤホンのようです!

何よりもまず、音がクリアになりました。雑音のようなジャリジャリ感が消えて、音の見通しが良くなりました。今度はまるで、ちゃんとダシの取れた、澄んだお吸い物のような味わいです。

音の傾向は変わらず、低音から高音までまんべんなく鳴らすフラットな感じです。また、音の解像感を重視するモニター系の音ではなく、聞く心地よさを重視するリスニング系の音です。

高音の刺さりは大幅に改善されています。高くまで非常によく伸びるのですが、伸びたからといって音の輪郭を失うことはなく、どこまでも繊細さと透明さをもって奏でてくれます。

一方、低音はしっかりと締まるようになりました。やはり重低音重視のイヤホンに比べると主張は控えめなのですが、しかし先ほどとは違って、どっしりとした量感があります。中音~高音を揺るぎなく支える力強さがあります。

中音もなかなかで、ボーカルの声質や、歌うリズム、抑揚、声の伸びやキレなどをよく表現していると思います。ただし、前面への押し出しはそれほど強くありません。

全体として、どこかを強調したり抑制したりといった演出をせず、音楽をそのままに、素直に奏でてくれる感じです。ジャンルを選ばずオールマイティに対応できると思いますが、とりわけ器楽曲との相性が良いイヤホンであるように思います。

リケーブルの恩恵は絶大でした。というか、付属のケーブルがひどすぎるというか。

イヤホン本体は、まさにハイエンド機と言えるポテンシャルを持っています。付属のケーブルもそれにふさわしい、もっと上質なものにしてあげれば良かったのに、もったいなさすぎます。