サンワサプライ 400-BTAD008

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Diary*2020年09月02日(水)

「サンワサプライ」から新発売のオーディオトランスミッター・レシーバー『400-BTAD008』が届きました。直販サイト「SANWA DIRECT」のほか、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでも購入できます。

“オーディオ トランスミッター(レシーバー)”というワードは聞きなれませんが、ワイヤレスで音声データの送信(トランスミッター)や受信(レシーバー)をする機器です。無線機能を持たない機器でも、これをつなけばワイヤレス化することができます。

パッケージ内容

以前から、同じくサンワサプライの『MM-BTAD5』を使ってパソコンからワイヤレスヘッドホンに電波を飛ばしていたのですが、これには難点がありました。

MM-BTAD5は充電式です。据え置きで使うにしても定期的に充電が必要なので、これがちょっとわずらわしい。

対する400-BTAD008は、USBケーブルで電源を取るので充電の必要がありません。

また、MM-BTAD5の通信距離は最大でも10mしかありません。壁などの障害物にも弱い印象でした。

対する400-BTAD008は、通信距離は最大で100mもあります。障害物があると通信が不安定になることは否めませんが、MM-BTAD5に比べるとかなり改善された印象があります。

この2つの懸案を解決してくれただけでも大きい。

その他の項目も含め、表にしてみました。

『400-BTAD008』と『MM-BTAD5』の比較
型番400-BTAD008MM-BTAD5
発売日 (公称)2020年9月1日2018年9月28日
Bluetooth バージョンBluetooth 5.0
互換性:4.2/4.1/4.0/3.0/2.0/1.2
Bluetooth 4.1
互換性:4.0/3.0/2.0/1.2
最大通信距離 ※理論値Class 1 (約 100 m)Class 2 (約 10 m)
通信方式一次変調方式GFSK(記載なし)
二次変調方式(記載なし)FHSS
対応プロファイルA2DP(オーディオ)
AVRCP(受信のみ)
※通話はできません。
A2DP(オーディオ)
AVRCP(受信のみ)
※通話はできません。
対応コーデックSBC, apt-X, apt-X Low Latency, apt-X HD, FastStream
※2台同時送信時はSBC固定
SBC, apt-X, apt-X Low Latency
※2台同時送信時はSBC固定
入力端子microUSB, S/PDIF, 3.5mmAUX, RCA赤白(3.5mmAUXに変換)3.5mmAUX
出力端子S/PDIF, 3.5mmAUX, RCA赤白(3.5mmAUXから変換)3.5mmAUX
電源microUSB内蔵型リチウムポリマーバッテリー
大きさ
幅 x 奥行 x 厚み
85 x 77 x 20 mm (アンテナ含む)43.8 x 43.8 x 12.4 mm
重さ約 42 g約 18 g

apt-X/apt-X Low Latency/apt-X HDはSCMS-Tに対応していません。そのため、スマートフォンなどのワンセグなどの一部アプリケーションでBluetoothによるメディアの音声が再生できない場合があります。その場合は、スマートフォン側でapt-X/apt-X Low Latency/apt-X HDを「利用しない」に設定を変更し、再度本製品と接続してください。

ほぼすべての項目にわたり『400-BTAD008』は『MM-BTAD5』の上位互換と言って良い感じです。唯一、ポータブル用途で使う場合にはバッテリー駆動の『MM-BTAD5』が適するくらいでしょうか。

『400-BTAD008』はサイズが大きくなりますが、それでもポケットティッシュ程度の大きさなので、問題になる場面は少ないでしょう。

スペックを調べていた時のことです。

400-BTAD008の通信方式は「GFSK」で、ワイヤレスヘッドホン『ATH-ANC900BT』の通信方式が「FHSS」と記載されていることに気づきました。さらにMM-BTAD5の通信方式を調べてみると「FHSS」でした。

もしかして、ATH-ANC900BTは、MM-BTAD5とは通信できても、400-BTAD008とは通信できない‥‥?

さらに調べてみると、ひとくちに「通信方式」と言っても、GFSKは「一次変調方式」の規格で、FHSSは「二次変調方式」の規格だとわかりました。詳しいことはよくわかりませんが、どうやらBluetoothでの通信は、一次変調をかけた上でさらに二次変調をかけるという、二段構えになっているらしい。つまりは、GFSKとFHSSは競合する物ではない‥‥っぽい。

ともあれ、いろいろ言葉を重ねるより、上の表を見てもらった方が視覚的にわかりやすい気がします。正確な表現なのかどうかは不明ですが。

実際にペアリングするまで不安がありましたが、400-BTAD008とATH-ANC900BTはペアリングできましたし、ちゃんと音も鳴ったので、そういうことだと思います。たぶん。

要するに、余計な心配だったわけですね。

というか、「通信方式」っていう書き方がまぎらわしいんだってば。

さて、なんだかんだで実際のペアリングはわりと簡単にできました。しかしパソコンとの接続をUSBに設定する方法がわかりづらかったので、ついでに紹介しておきます。

左側面に、「MFBスイッチ」と「送信・受信モードスイッチ」があります。

「MFBスイッチ」は、左右に動かせることが説明書に書かれています。しかし実はそれだけでなく、押せるようになっていて、これは説明書に書かれていません。(見落としていなければ、ですが)

初期の接続設定は「SPDIF」なので、このMFBスイッチを押して「USB」に切り替える‥‥わけですが、始めは押せることに気付かず、かなりとまどいました。

余談になりますが、上の表に発売日を記載していますが、実際はこれより早く市場に流通していたようです。

最後に、USBケーブルについて。

『400-BTAD008』にUSBケーブルが付属していますが、今回は、エレコムから発売されているオーディオ用USBケーブル『DH-AMB12』を使用しました。

聞き比べをしていないので、音質の面でどの程度の効果があるのかは分かりませんが、とりあえず正常に動作しています。