オーディオトランスミッター FiiO BTA30 Pro

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Diary*2022年01月06日(木)

概要と基本情報

オーディオトランスミッター&レシーバー『BTA30 Pro』を購入しました。

近年、躍進している中国のオーディオ機器メーカー「FiiO」の製品です。

『FiiO BTA30 Pro』本体の全景

2022年1月時点、LDAC形式での送信ができるオーディオトランスミッターは、僕が知る限り、『BTA30』と『BTA30 Pro』の2機種のみ。

LDACを開発したソニーからして、送信機能を有するのはウォークマンやスマートフォンに限られます。

ただし『BTA30』には注意点がひとつあります。USBケーブルでパソコンと接続した場合は、LDACで送信することができません。これはもう落とし穴のようなもので、購入してから気づき、落胆した方もおられるのではないでしょうか。

この問題が改善された後継機が『BTA30 Pro』。ほかの機能も向上していて、純粋に上位互換となっています。

パッケージ内容

パッケージの全景になります。

黒を基調にし、文字などの印刷にはホログラムが使われていて、見る角度によって色が虹色に変わります。

「Hi-Res」「Hi-Res Wireless」の表示も見て取れます。

『FiiO BTA30 Pro』パッケージの全景 『FiiO BTA30 Pro』パッケージ底面にある製品保障番号

底面にはスクラッチがありました。削ると、製品保障番号があるとのこと。いわゆるシリアルナンバーでしょうか。一般的にはただ印字されているだけなので、このようなスクラッチ式は珍しい。

パッケージに入っている物は下の通り。

『FiiO BTA30 Pro』パッケージに入っている物
  • 『BTA30 Pro』本体
  • USBケーブル(USB2.0 TypeC-A、約1m)
  • RCA同軸ケーブル
  • ラバーフット
  • 取扱説明書
  • 保証書(Warranty Card)

『BTA30 Pro』本体の天面にはシールが貼られています。使用時には剥がします。

取扱説明書は多言語で書かれています。日本語での記述もあります。

ラバーフットは予備だと思われます。

BTA30Pro底面

ラバーフットは元から貼ってあります。剥がれてしまったときは予備のラバーフットを貼り付けることになるでしょう。

概要と基本情報

『BTA30 Pro』に搭載されている機能は、大きく分けて3つ。

  • BT RX(Bluetoothレシーバー)
  • BT TX(Bluetoothトランスミッター)
  • DAC(デジタル/アナログ コンバーター)

本体前面のスライドボタンで機能を切り替えて使用します。

Bluetoothのバージョンは5.0です。

なお、BT RXモードにすると、スマホアプリで『BTA30 Pro』の設定を変えることができます。ただし、アプリの評判はあまり高くありません。

まずは、オーディオトランスミッターとして見ていきます。

送信距離は公称30mなので他社製品に比べると短いですが、実際に使ってみた感じでは、送信距離が短いという実感はありません。

特筆すべきは、通信の安定性です。建材にもよるでしょうが、ドアや壁を隔てても音楽の再生はなめらかです。もちろん瞬間的に音が飛ぶときもありますが、比較的まれで、問題視するほどの頻度ではありません。

対応しているコーデックが幅広いです。

トランスミッター(送信)としては、[SBC][aptX][aptX LL][aptX HD][LDAC]に対応。

レシーバー(受信)としては、[SBC][AAC][aptX][aptX HD][LDAC]に対応しています。

ほぼ満点に近いと思いますが、送信においてAACに対応していないことが玉に瑕かしれません。

続いて、有線での入出力の規格を見てみます。

入力は[USB TypeC][RCA同軸][TOS光角形]に対応しています。

出力は[RCA同軸][TOS光角形]に対応しています。

ただし[RCA同軸]の端子は1つのみなので、[RCA同軸]での入力と出力を同時に行うことはできません。

[USB TypeC]は電源でもあるため、利用する入出力に関係なく、かならず接続する必要があります。Bluetoothを利用する場合も同様です。5V,1Aで動作するようです。

付属のUSBケーブルについて規格の記述はありませんが、たぶんUSB2.0だと思います。長さは約1m。端子は『BTA30 Pro』側の端子がTypeCですが、接続先の端子はTypeAとなっています。USB2.0 TypeC-Aなので、使えるパソコンは多そうです。

対応サンプリングレートは下記のようになっています。

対応サンプリングレート
PCMDSD
USB 入力384kHz/32bitDSD256
RCA同軸 入力384kHz/24bitDSD128
TOS光角形 入力192kHz/24bit-
RCA同軸 出力384kHz/24bitDSD128
TOS光角形 出力192kHz/24bit-

たいがいの音楽データは取り扱いが可能でしょう。「ハイレゾ認証」および「ハイレゾワイヤレス認証」を取得しているとのことです。

アップサンプリング機能も搭載していて、最大でPCM192kHzへのアップサンプリングができます。

公称値でのサイズは、幅120mm、奥行55mm、高さ25.8mm、となっています。アンテナを倒した状態で、ポケットティッシュを2つ~3つ重ねたくらいの大きさ。コンパクトにまとまっています。

使い方

BTA30Pro背面

背面には、入出力の端子が並んでいます。あと、Bluetoothのアンテナ。

TOS光角形の端子にはコネクタキャップが付いています。

BTA30Pro正面
APAIR1 Bluetooth接続インジケーター
BPAIR2 Bluetooth接続インジケーター
CPAIR2ボタン/電源/入力切替
DPAIR1ボタン/Bluetoothコーデック切替/一時停止
ERX/TX/DACモードスイッチ
Fボリューム ノブ

『BTA30 Pro』の正面には、3つの操作ボタンと音量ダイヤルがあります。

MODEボタン(左右スライド)で、3つのモード「BT RX」「BT TX」「DAC」の切り替え。

Bボタンで電源ON、および、入力ソース「USB」「COAX(RCA)」「TOS(光)」「BYPASS(バイパスモード)」の切り替え。

Bボタンの長押しで電源OFFです。

Aボタンは、長押しで強制ペアリングモード、2回押しでaptXのLL/HD切り替え。

BTA30Pro上面

天面にはLEDインジケーターが並んでいます。

「USB」「COAX」「OPT」は入力ソースの表示です。

「BYPASS」は、TOS光角形で入力された信号を、TOS光角形とBluetoothで出力する「バイパスモード」の表示です。

「STATUS」は使用中のコーデックを色で表示します。

  • SBC:青色
  • AAC:青緑色
  • aptX:紫色
  • aptX LL:緑色
  • aptX HD:黄色
  • LDAC:白色

これと前後して、「audio-technica」から新発売のワイヤレスヘッドホン『ATH-M50xBT2』を購入しました。

『BTA30 Pro』と『ATH-M50xBT2』をLDACで接続して使っているのですが、音質は上々だし、ケーブルに縛られないし、バッテリーの持ちも良いしで、非常に便利に使っています。

また、『BTA30 Pro』とパソコンをつなぐUSBケーブルを交換してみました。その辺は「エイム電子 SHIELDIO USAC-010」でレビューします。

ペアリングがうまく行かないときの解決方法

『BTA30 Pro』とワイヤレスヘッドホンをペアリングする時に、うまくつながらないことがあります。

まずは、モードを確認。MODEボタンが「BT TX」(トランスミッター モード)になっていればOKです。

次に、ヘッドホンを「強制ペアリングモード」(呼称はヘッドホンによって違います)にして、接続待機の状態にします。操作方法は、お使いのヘッドホンの取扱説明書を参照してください。

続いて、『BTA30 Pro』のAボタンを長押しして強制ペアリングモード(LEDが赤と青の交互点滅)にします。

これで数秒待つと、『BTA30 Pro』とヘッドホンがペアリングされます。