audio-technica ATH-WB2022

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Diary*2023年02月18日(土)

※私は専門家ではありませんので、個人の感想として参考材料の一つと捉えてください。
レビュー

公式サイトの記載に重さが約350gとあるので、頭に載せたら重いのでは?と想像していました。しかし実際に装着してみると、体感する重さはかなり軽いです。

側圧は少しゆるめです。急な動き、強い動きをするとズレますが、逆に言って、日常の生活動作くらいならズレません。強すぎず弱すぎず、ちょうど良いホールド感で、長時間の使用でも痛くなりにくいです。

このあたりは、新たに設計されたジョイント構造の効果なのでしょうか。装着感はとても良いです。

見た目のサイズ感は、意外と小ぶり。並べてみると、ATH-M50xBT2 MO とあまり変わりません。イヤーパッドに耳が収まるのかと心配しましたが、僕の場合は問題ありませんでした。

アルカンターラ社製のヘッドバンド、イヤーパッドは、さすがの肌触りです。とても快適。

操作性は、やや慣れが必要です。ボタンは目印になるような凹凸がなく、手触りだけでは何のボタンかがわからないため、位置感覚でボタンを覚える必要があります。ただ、フラットな見た目はスマートで良いです。

ノイズキャンセリング機能はありませんが、ATH-WB2022 を屋外に持ち出すことはないと思うので、住環境にもよりますが、大きな問題にはならないと思います。

スマホアプリ「Connect」と接続すれば、低遅延モード、イコライザー、ボリュームステップなど、各種の機能が使えます。

ボリュームステップは、16段階、32段階、64段階、100段階、の4種類から選べます。

イコライザーは、自分でカスタマイズするほかにも、プリセットとして、Original、Bass Boost、Clear Vocal、V-shaped、Treble Enhance、の5種類が用意されています。ただしイコライザー使用時は、最大サンプルレートが48kHzに制限されることにご注意ください。

また、低遅延モードではコーデックが AAC または SBC に変更されます。

注意事項として、楽曲を鳴らし始める前に、あらかじめ音楽プレイヤーの音量を小さくしておきましょう。

これはちょっとどうかと思うのですが、ATH-WB2022 は最初から最大音量で鳴らします。プレイヤーの音量まで最大になっていると、とっても危険。

小さな音量から楽曲の再生を始めて、ちょうど良い音量まで上げていくのが良いです。

さて、肝心の音質のレビューです。

結論から言えば、ATH-WB2022 は雑味がなくすっきりとした音をしていて、鳴り方は癖がなく素直です。

曲調に逆らわらず柔軟に対応できるので、幅広いジャンルにおいて ATH-WB2022 のポテンシャルを存分に発揮し、さまざまな楽曲でその魅力を豊かに表現できると思います。

ワイヤレス接続と有線接続を個別に見ていきましょう。

ワイヤレス接続では、トランスミッターには FiiO BTA30 Pro を使用し、コーデックは LDAC を使っています。

音域のバランスで見ると、高音から低音までムラなくしっかりと出ている感触です。audio-technica というと低音がひかえめなイメージですが、ATH-WB2022 は全音域にわたってバランス良く出ています。

高音は、上まで行っても音が崩れることがなく、ディテールを保って聞こえてきます。きらびやかに飾り立てるわけではないのに、素直に、真っ直ぐに伸びていく音がとても美しいです。

中音は、芯や厚みが感じられ、安定した存在感があります。聞きやすく、情感が伝わってきます。

低音は、底深さがあり、引き締まっています。際立った重低音ともなると、沼に沈むように深く、アタック感もあり、力強さと重々しさを感じます。

また、フルバランス構成の効果なのか、雑味が少なく、見通しの良いすっきりとした音になっています。ノイジーな成分に邪魔されることなく、楽器の音やボーカルの声が生々しく響きます。

解像感の面では、あまり分析的にはなりすぎず、音の調和や楽曲のムードを大切にした、リスニングに寄った音作りだと思います。

丸みのあるウォームな音色はウッドハウジングの効果でしょうか、長時間の音楽鑑賞でも聞き疲れしにくく、ゆったりと楽しめます。

有線(USB)接続では、ATH-WB2022 に付属のUSBケーブルを使い、パソコンへ直に接続しました。

ヘッドホンアンプを通していないので、実際に音を聴く前は正直、有線での音質にとても懐疑的でした。しかし、良い意味で裏切られました。

ATH-WB2022 はDACとアンプをフルバランス構成で内蔵しているというだけあり、ヘッドホンアンプを通した有線ヘッドホンと比較してもまったく遜色のない、とてもハイレベルな音質です。

音の傾向は、基本的にワイヤレス接続と同様です。

違いとしてはまず、ワイヤレスでも少なかった音の雑味が、有線ではさらに減りました。音のエッジが明瞭になるとともに、透明感も増しています。

また、音の伸びやかさや広がりが増しています。明るい曲調には芳醇でリッチな感じが加わり、落ち着いた曲調では情感が増しています。

総じて言うと、ワイヤレスでも有線でも完成度が高く、目立った欠点がないと思います。

あえて悪く言うならば、刺激に欠けます。例えば、優等生的にまとまっていて退屈だ、ワイヤレス機でフルバランスという技術的な一点しか新しさがない、音だけで言うなら有線機でもっと良いヘッドホンがある、などと見る向きもあると思います。

そして何より、40万円という価格も厳しい。考えるに、フルバランス化にともなう技術的な課題の克服とか、コア部分のみならず外装や付属品まで含めての高いクオリティの追求とか、根拠があっての価格なんだろうと思います。しかし、このご時世で40万円は、やはり直感的につらい。

ただ、僕自身が買って後悔したか?と問われれば、とても満足しています。他の欲しい物をたくさん我慢してでも買って良かったです。自分の好みと合致しているので、とても楽しい。好みの音楽を好みの音で、家中どこにいても何をしていても聞くことができるという満足感が、仕事や家事に追われるリアルな毎日を、非日常的に豊かにしてくれます。

オーディオ技術は日進月歩です。たぶんこの先、何年も経たないうちにフルバランス構成のワイヤレスヘッドホンも珍しい物ではなくなると思います。価格もこなれていくでしょう

しかし、先駆けだからこそ作れる音、今しか作れない音、というものもあると思います。

もし近場でデモ機を置いているショップがあるのなら、購入するかどうかは脇に置いて、試聴してみると良いかも知れません。

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